THIS IS IT

最後のカーテンコール、ロンドン公演を目前にしてこの世を去ったキング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソン。そのロンドン公演に向けてのリハーサルの様子が限定公開され、今亡き彼の歌、ダンスを、年齢からくる衰えすら感じさせずに体感できる映画、これがそれだ。
死因は結局よく分からなかったが、この映画を観る限り、彼は昔と何も変わらず、最高のエンターテイナーであり、世界最高の才能であることに疑いの余地はない。
リハーサルの様子を通して今回披露する予定だった楽曲とパフォーマンスを観ることができる。でも、やっぱり本番を観たかった。開始5分、1曲目のパフォーマンスを観た瞬間、もう2度と観られないのか、なぜこんな彼が死んでしまったのかと思い、早くも涙。周りもやっぱり泣きながら観ている人が多かった。
冒頭、オーディションに受かったダンサーのインタビューで始まる。皆、MJに憧れ、同じ舞台に立つ夢を掴んだ者達ばかりで感極まる様子が映されている。まさかその夢がこんな形で終わりを迎えるなんて、彼らにしてももうどちらが夢だったのか分からないのではないだろうか。その喪失感たるや、想像し難いものですらある。
世界的スターが亡くなったと同時に、世界は最高の才能を亡くしてしまった。彼のパフォーマンスを観て感動すればするだけ、次の瞬間に悲しさ、寂しさが押し寄せる。この繰り返し。
MJの偉大さを感じることのできる作品であり、まさにノンフィクションの作品です。