レッドゾーン
ハゲタカシリーズの第3弾。1年越しくらいでようやく図書館で借りることができました。
- 作者: 真山仁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/04/24
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中国資本が世界を席巻しつつある様は、バブル絶頂期に「Japan as No.1」を標榜して世界を買い漁ったときのようでもあるが、貿易黒字によって膨れ上がる外貨準備高にも国防をアメリカに頼る日本とそうでない中国とでは外交カードの切り方が異なり一概に「同じ」扱いはできない。
作中で描かれる中国経済の発展とそれに追いついていない法意識は、先日の人民元切り上げや昨今日本で事件にもなっている事柄とリンクする。また、安い人件費を元に世界の工場としての地位を築いて貿易黒字を増やしてきたが、今後インフレが進み人件費が上がってきたときに外国企業がさらに人件費の安い国に工場を移したとしたら中国経済はどうなってしまうのかなど、今、そしてこれからの中国と世界経済のあり方を考えさせられる。
ちなみに物語としてはこれまでの1作で3回くらいあった企業買収劇が1回しかなく、もうこのレベルになるとさすがに裏の外交交渉レベルで話をつけないとリアリティがないということなのか、ドラマチックで派手な攻防というのはなく少し残念。やっぱりマーケットでの売り買いの勝負を見たかったなぁ。