2011夏旅行。サイだ、パンダだ、サイパンダ

ちょっと前に書いた通り、今年は予算縮小のため近場のサイパンで休暇を過ごすことといたしました。ビーチリゾート続きで、そろそろ欧米人張りのバカンスの過ごし方を心得たとばかりに、今回も無料で付いてくる島内半日観光を除いては何も予定をいれていないのんびりモード。ただただ、南国の風に吹かれてリラックスし、ダラダラと毎日を過ごすのです。
そんなわけで、9/23から9/28の6日間サイパン旅行。夜に飛んで日付変わったあと到着。帰りは6時の飛行機で帰国なので、実質2日は移動だけ。リゾートには丸4日間滞在のプランです。

I'll be back to NARITA from NARITA

さしてトピックのない今回の旅行最大の山場は出発直後に待っていました。20時半頃に成田を離陸したDELTA航空288便。順調に飛行を続け3時間後にはサイパン到着・・・のはずが、1時間ほど飛んだところで「当機は機体トラブルのため出発地成田に引き返します」。統計学的に見て飛行機ほど安全な乗り物はないと分かってはいても所詮は確立の話。来た道を1時間かけて引き返す間はドキドキでしたが、無事に成田に着陸し安堵。しかしそれはそうとして、サイパン行はどーすんだい?と。「着陸してから地上係員から連絡します。でも23時越えたら成田空港が店仕舞いしちゃうから飛べないよ」的なアナウンスに困っていたけれど、そこは世界的航空会社。成田に戻ったらすぐに代替機が用意されておりました。乗り換え(荷物の積み替え含む)に残された時間は45分。スムーズな搭乗のため席番号順に乗るという「普段からそうしたらいいのに」という機転の利いた案内もあり、空港閉鎖3分前に離陸することができました。その後は順調にフライトを続け、予定より3時間遅れでサイパン到着。

ウキウキ

雨季。そう、サイパンは9月だか10月までは雨季なのであります。到着した日と次の日の午前中くらいは晴れていたけれど、その後の2日半はずっと、そう、南国特有のスコールではなく、ずっと雨でした。まだ晴れた日があったから良かったけれど、飛行機飛ばなくて1日ずれてたら残念だったろうなぁと思います。

とにかく日中はホテルの中でのんびりと過ごしました。ラウンジで本を読んだり、スパでマッサージをしてもらったり、ジムで軽く運動をした後、ジャグジーに入ったり。残念ながら、ビーチを目の前にしてもこの雨なので入る機会を逸してしまい、結局水着はジャグジーでつかっただけ。せっかく妻が新調した浮き輪も登場の機会なく終わってしまいました。。

AQUA RESORT CLUB SAIPAN

今回の旅行にあたり、ホテル選びは少しこだわりました。そもそもホテルの数自体が少ないサイパンですが、その中でも「最高グレードを」ということでこちらのホテルにしたわけであります。全室コテージタイプの客室で総部屋数もそれほど多くなく、まさに休暇をゆっくりと過ごすには良さそうだということになりこちらにしました。
大きなホテルだと、確かに設備もたくさんあるかもしれないけれど、アジア系の団体ツアーなんかと一緒になってしまった日にはそれこそ落ち着いてゆっくり過ごすというのとはかけ離れてしまいそうなので。やっぱり去年モルディブに行ったのもあって、南国でゆっくりのんびり、何もせずに過ごすという人には良いところだと思います。
【公式】アクアリゾートクラブサイパン|ヴィラタイプのサイパンホテル

戦跡

唯一のオプション(無料だから)で申し込んでいた島内観光ツアー。今でこそ近場の南国リゾートして日本人に人気のサイパンですが、ここは太平洋戦争の激戦地。進軍するアメリカ軍を喰い止めるべく置かれた日本軍最後の砦。島内観光ツアーもそういった戦跡を巡ります。

バンザイクリフ

南から攻め入るアメリカ軍に、北に追いやられた日本軍や民間人。逃げ場を失った彼・彼女らが、捕虜になるくらいであれば自ら命を絶つことがお国のためと信じその身を投げたのがこの岩場。みな「天皇陛下万歳」と叫び身を投げたことからその名がついたそうな。そんな悲劇を飲み込みながら、今は蒼く美しく輝いておりました。

ラスコマンドポスト

日本軍最後の司令部が置かれた場所。ジャングルの中に位置したその司令部の近くには、当時使用された戦車や大砲が朽ちた姿で残されています。三菱重工製の戦車は3人乗り。アメリカの戦車の1/5ほどの大きさであったにも関わらず、彼らは勝利を信じ戦ったのでしょう。司令部後の岩屋には当時のアメリカ軍の艦砲射撃が貫通したといわれる穴が空いており、その威力の凄まじさを物語ります。またすぐそばにはこの戦争で犠牲になった方々に対する哀悼を表した慰霊碑が作らております。そしてその後ろには、これまた別名「スーサイドクリフ」と呼ばれる岩山。その名の通り(スーサイド=自殺)、ここもまた日本軍が身を投げ、自決した悲しき場所でもあるのです。


サイパンで亡くなった方はおよそ6万人。発見された遺骨はおよそ2万人。まだ4万人がこの鬱蒼としたジャングルの中で眠っておられるそうな。空の青と海の蒼と木々の緑のコントラスは清々しく美しいもののはずなのに、この地は寂しく悲しい空気に包まれていたように感じ、何度も手を合わせました。

街歩きやら物価やら

サイパン一番の繁華街はガラパンという街。とはいえ島自体が小さく、2/3をジャングルに覆われているようなところなので、ワイキキのような華やいだ感じはありません。ところどころいたんだ建物が軒を連ね、日本語やなんかで看板が上がっている区画が数ブロックほど続く程度の小さな街です。
ちょうど訪れた日は雨ということもあってか、いやもしかしたら普段からこのくらいなのかもしれないなぁというか、ガイドブックに書いてあるような「通りは観光客で溢れかえる」光景とは程遠いもので、むしろ人の姿を探す方が困難に思えるほどでした。
衝撃だったのは、こっちで買ったガイドブックに載っていたお店に行ったら、跡形もなくなくなっていたこと。わずか1年ほど前に発行されたガイドブックに載っているようなお店ですらこのような顛末をたどるサイパンの経済情勢が少し気になります。
物価はイッチョマエにアメリカン。まぁ観光産業で成り立ってるから仕方がないけれども、高い。1回の食事が$20/人くらいはかかってしまう感じでした。今回何に一番お金を使ったかって、もちろん食費です。ホテルのビュッフェレストランも夕食が一番高いので、2回ほどABCストアというコンビニで買ったもので済ませました。これなら$10もあればお腹いっぱい。

ハードロックなチップ請求

相変わらず海外で慣れないのがチップという制度。こんな分かりづらくつまらん制度はとっととやめたまえと言いたいけれども、むしろ日本の方がマイノリティなのでそうはいくまい。ガイドブックによると、「レストランで食事をした場合、料金の10〜15%が目安です。サービス料が金額に含まれている場合は必要ありません。」と書かれておりました。それを鵜呑みにして昼食をとったハードロックカフェにて、お会計の際に15%のサービス料が含まれているにも関わらず「チップは?」とミニスカートのフィリピン系オバちゃん店員に請求されるという事案に遭遇。「サービス料取ってるでしょ?」なんて強気に言えればいいんですが、語彙がないのは置いといたとしても、昼時の一番賑わう時間帯、100席はあろうかという広々とした店内に、我々を含めて4組ほどしか客をいない状況では「あぁ、チップね。はい。」と渡さざるを得ませんでした。

携帯を海外で

今回初めて、スマホになったこともあって海外で携帯を使ってみました。特段申し込みも必要なく、設定変更もほぼ不要でした。結果、ホテルにおいてはdocomoの僕はほとんど問題なくつけまして、auの妻はデータ通信がつながらないという状況でした。docomo強し。auiPhone5を持って巻き返しなるか?

世界をフラットにするSNS

携帯電波はそんなだけれど、無線LANさえあればインターネットには接続できます。スマホでホテルの無線LANにつなげてそこからWeb閲覧することも可能。そんなわけでmixifacebookといったSNSにもアクセスるすることができるわけです。「わざわざ海外でバカンス中に見たくなるかなぁ?」と思う方もいるとは思いますが、見れたら見れたで、海外にいながらにして知り合いの様子を知ることができ、それはそれでどこか安心するものでもあります。仕事のことは忘れたいけれどね。
そうやってSNSを通して見ていると、普段からバーチャルな空間で接しているわけであり、国内にいても海外にいてもSNSから発せられる情報やそれを通じて関わりを持つことについては何ら相違がないわけであり、今自分がどこにいるかという距離を全く感じさせないものでありました。日本にいて離れている人と接するよりか、よりそのことを強く感じたわけです。遠くにいても近くにいるように感じさせ、国境すら超越するこのコミュニケーションツールとしての凄さを垣間見た気がします。

免税範囲

帰りの空港内免税店で初めて買い物をしました。妻が前から欲しいなぁと思っていた香水があったので、安く買えるということで購入することにしたわけであります。せっかく安いので大きいほうをということで75mlのものを購入しました。
帰りの飛行機内で税関申告用紙を記入していると、「香水の免税範囲は2オンス(1オンスは28ml)」の記載。せっかく免税店で買ったのに範囲を超えているために課税されるのだろうか?それとも免税店で買ったのだからこれは免税なのだろうか?2人で結論のない会話をし、最終的には「税関で聞いてみよう」ということになりました。例えお金を取られたとしてもそれはそで勉強になるし、別にとんでもない額を取られるわけでもないし。
税関のおじさんに質問して返ってきた回答はこれまた想像していないものでした。

  • 免税店で購入したものでも申告しなければならない
  • 購入したのはオードトワレで香水ではないため申告不要

「香水」というのは狭義の香水を指すようで、もっと濃度の濃いもののようです。よってオードトワレと記載されたもの(濃度が少し薄い)は香水としての申告は不要ということのようです。香水の世界も奥が深いなぁ。

飛行機移動がなければなお良し

行きの飛行機でトラブルに見舞われたのは書いた通りですが、帰りの飛行機は「気流が不安定な地点を通過する」ためひどく揺れました。高度1万メートルでガタガタと揺れるとさすがに緊張感が高まります。早朝2時に起きて支度をして出てきたので眠いのですが、それでも寝つけず早く着かないかとしばしば時計を確認しておりました。妻は寝ておりました。
座席が狭いのもあるし、今回のようなこともあるし、海外旅行はとても良いけれど、飛行機移動がなければもっと良いなぁ。

※タイトルのサイパンダは私の思い付きではなく、公式なものです。サイとパンダが一緒になったなんとも愛らしい中にも棘のあるキャラクター。気になる方は検索を。