被災地・東京

今日から計画停電が始まるということで、その影響により朝から交通網は大混乱。停電の影響を鑑みて電車が止まっているからです。僕はというと朝は一瞬入場規制があっただけで普通に行けました。帰りは会社から「混乱が予想されるため15時に帰宅すべし」との通達があり、真面目な私はその指示に忠実に従いました。
停電地域の中では、東京23区の一部は対象外(というか、どちらかいうと23区は一部だけが対象)なので山手線は終日動いていますが、都心とその他を結ぶ他の線は一部区間のみの運転であったり運休であったり。計画停電の決定自体が昨晩で実施が今朝からということではこの混乱も致し方なし。
このことは、東京が、東北ほどではないにしても被災地であることを自覚させてくれます。単に東京電力の対応がどうのという話ではないのです。建物の倒壊や火災などがほとんどなく犠牲者も少なかったことから(それでも亡くなっている方はいらっしゃいます)、まるで外傷はなかったかのように見えますが、その内側で確実にインフラが破壊されてしまったわけで、紛れもなくこれは地震の影響であり、東京もまた「被災地」であるということです。
これまで誰も現実のものと捉えていなかったことが、外傷こそ少なかったとはいえ現実になったわけで、もし今日の時点で節電への呼びかけや計画停電を実施していなかったとしたら、果たして首都機能はどのようになっていたのか想像することもできません。そういったことからも、政府の判断は間違っていないと思いますし、このことを後でとやかく言う人がいるとしたらその人には投票しないでおこうと思いました。今日たまたま、「ただ混乱した」だけで済んだのです。
今後懸念されることは経済の停滞や、半ばパニックとも言えるような物資の購入による物資の不足、そして供給不足による価格の高騰でしょうか。マーケットはこれらを予測してだと思いますが日経平均も今日は600円程下げていました。しかしこの点に関してはあまり不安はありません。なぜか?必ず復興すると信じられるからです。根拠のない自信。なので、ある程度下がったら買っといたほうがいいかもしれませんよ。
ちなみに我が家は第5グループに属しておりますが今日のところは停電ありませんでした。とりあえず4月末を目処にと言われていますが、はっきり言ってそれまでに供給施設が復旧するようには思えません。冷房を使う時期になると当然需要も大幅に増えてくるわけで、まだ当面は続くのではないかという予想は容易だと思います。

さてさて、この一連の自信の政府の対応について偉そうに感想を言うとすると、枝野官房長官の好感度が高い。会見を見ても、危機感と使命感を持って取り組んでおられるように感じ、口調の明確さ、記者への受け答えなど、何だか頼りになるというか何というか、良い感じでした。菅総理も、自衛隊の増員判断の早さなど高評価です。
一連の対応がマズく映る東電や原子力保安院ですが、あれはあくまで広報の人が慣れていないという面もあると思いますし、20キロ圏内にまで避難指示が出ている中、最悪の事態を避けるべく現場で必死に作業をされている東電の方がいることも忘れてはいけない。

とにかく今は非常時であり、少なくとも東京における交通の不便などは、東北で避難生活をしている方のそれとは比べるまでもなく、我々は冷静に、ただ淡々と日常を取り戻しこれまでのような経済活動を行うことが最低限求められることだと思います。